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LSTM(Long Short-Term Memory)とカリキュラム学習は、強化学習を支援する手法として用いられますが、強化学習そのものとは異なる技術領域に属します。

1. LSTM(Long Short-Term Memory)

LSTMはリカレントニューラルネットワーク(RNN)の一種で、主に時系列データや連続的なデータの依存関係を学習するために設計されています。 強化学習では、特に過去の状態や行動の履歴を利用して意思決定を行う必要がある場合にLSTMが役立ちます。エージェントが観測できる情報が限られている環境(部分観測マルコフ決定過程)で、LSTMを使って過去の行動や状態の履歴を保持し、最適な行動を選択することが可能になります。


LSTM自体は、教師あり学習のカテゴリーに含まれる「リカレントニューラルネットワーク(RNN)」の一種として、通常のニューラルネットワークの枠組みで設計されたものです。LSTMは、過去のデータを連続して処理し、時系列データや自然言語処理などでの予測に優れたアルゴリズムとして使用されています。このため、LSTMそのものは基本的に「教師あり学習」に分類されることが多いです。

一方、強化学習でLSTMを使う場合、LSTMは「エージェントが過去の経験に基づいて未来の行動を決定する」という文脈で用いられます。例えば、部分観測マルコフ決定過程(POMDP)において、エージェントが現在の観測のみでは不十分な環境で行動する際にLSTMを組み合わせることで、環境の「一連の流れ」や「状態の変化」を記憶し、行動ポリシーを改善することができます。

つまり、LSTMはアルゴリズム的には教師あり学習に属しますが、強化学習の文脈で過去の状態を保持するメカニズムとして利用される場合があります。

部分観測マルコフ決定過程について


SACについて


2. カリキュラム学習

カリキュラム学習は、タスクの難易度を段階的に上げることで、モデルやエージェントが複雑なタスクに徐々に適応できるようにする手法です。 カリキュラム学習そのものは教師あり学習でも使われる技法ですが、強化学習においても効果的です。エージェントがシンプルなタスクからスタートし、徐々に難易度の高いタスクを学習することで、学習の安定性が向上し、より効率的にスキルを習得できます。


強化学習と補助技術としての関係性

両者は強化学習アルゴリズムの一部ではなく、学習をサポートする補助技術と考えるとわかりやすいです。