LSTMは、強化学習の中でアルゴリズムとして利用されることがあって、他にも何かしらのアルゴリズムが加わるということです
LSTMは、強化学習の一部として扱われることも多いですが、これはLSTMが強化学習アルゴリズムそのものではなく、「補助的な技術」として機能するためです。
以下のように、組み合わせにより学習の種類や目的が異なるため、実際にはさまざまな役割を果たします。
1. LSTM単体(教師あり学習や時系列予測)
- LSTMは、通常の教師あり学習の文脈でも広く使われ、例えば時系列データ(株価や天気予報など)の予測などに適しています。この場合、強化学習とは独立した「過去の情報に基づく予測」や「状態の連続的変化のモデリング」に用いられます。
2. LSTM + 強化学習アルゴリズム(例: LSTM + PPO、LSTM + SAC)
- LSTMが強化学習アルゴリズム(PPOやSAC)と組み合わされると、エージェントが時間に沿った一連のデータを扱えるようになり、「部分観測マルコフ決定過程」(POMDP)などでの意思決定が可能になります。これにより、観測情報が完全でない場合や、直近の状態だけで行動を決めるのが難しいタスクにも対応しやすくなります。
3. LSTM + 模倣学習
- LSTMを模倣学習に組み込む場合、LSTMの能力を利用してエージェントが人間の操作や既存のデモンストレーションデータを模倣しつつ、さらにその知識を強化学習で拡張していくことが可能になります。模倣学習は、強化学習エージェントが環境内でゼロから学ぶのに時間がかかるような場面で効果的です。
4. LSTM + カリキュラム学習
- LSTMをカリキュラム学習と組み合わせることで、エージェントが段階的にタスクの難易度を上げながら学習することができます。初期の簡単なタスクでは直近の情報を主に使用し、難易度が上がるにつれて過去の情報を積極的に参照しながら意思決定するようになります。これは特に複雑な一連の行動を学習する際に効果的です。
まとめ
こうしたアプローチは、強化学習の目的を補完するためにLSTMが使われているので、強化学習の一部として扱われるといえます。
LSTM単体だと教師あり学習ですが、LSTM+カリキュラム学習 みたいになって強化学習として扱われます
強化学習のアルゴリズムには、LSTMのような他の機械学習手法やニューラルネットワーク構造が加わることがよくあります。
そのほか
以下のように、さまざまなアルゴリズムやアーキテクチャが強化学習に組み込まれて、より複雑な問題に対応するために使われます:
1. 記憶・履歴の保持 (例: LSTM、GRU)
- LSTMやGRU(ゲーティッドリカレントユニット)は、部分観測マルコフ決定過程(POMDP)などで、環境の現在の観測情報だけでは十分でない場合に用いられます。これにより、過去の情報を保持しつつ、エージェントが現在の行動を決定できるようにします。
- たとえば、LSTMをディープQネットワーク(DQN)やアクター・クリティック方式の強化学習に組み込むことで、連続した観測情報を使って適応的な行動を学習します。
2. 探索手法の工夫(例: Curiosity, Exploration Bonus)
- エージェントが未知の環境を積極的に探索するための「好奇心」や「探索ボーナス」が加えられることがあります。たとえば、Intrinsic Curiosity Module(ICM)は、エージェントに自己発見のモチベーションを持たせる仕組みです。
- これらは「探索」と「活用」のバランスを調整し、エージェントが効率的に学習できるようにします。
3. ポリシー最適化手法 (例: SAC, PPO, A3C)
- ソフトアクタークリティック(SAC)や近似方策最適化(PPO)、アドバンテージアクタークリティック(A3C)など、強化学習の効率を上げるためのアルゴリズムも利用されます。
- 特に、SACのように「エントロピー正則化」を加えることで、探索の幅を広げつつ安定した学習が可能です。
4. 教師あり・模倣学習の導入
- 強化学習の初期段階で効率的に学習を進めるために、模倣学習が使われることもあります。これは、ある程度のデータやポリシーを既存のデータから学習することで、探索の手助けを行います。
5. カリキュラム学習・環境ランダム化
- カリキュラム学習では、学習環境の難易度を段階的に上げることで、エージェントが徐々に複雑なタスクを習得するように促します。
- 環境ランダム化は、学習の一般化を目指して、学習環境の条件をランダムに変化させる手法で、汎化性能を高めるために役立ちます。
これらの技術やアルゴリズムを組み合わせることで、より高度で安定した強化学習モデルを構築することが可能です。