tau
(ターゲットネットワークの更新率)は、ターゲットネットワークの更新の大きさを決めるパラメータです。ターゲットネットワークは、強化学習アルゴリズムにおいて、現在の学習中のネットワーク(ポリシーネットワークやQネットワーク)と別に用意され、安定性を向上させるために使用されます。
tau
の関係強化学習では、エージェントが学習するモデル(例えばポリシーネットワークやQネットワーク)が環境からの報酬に基づいて頻繁に更新されます。頻繁な更新は、学習の不安定さや振動を引き起こす可能性があるため、ターゲットネットワークという固定されたコピーのモデルを別途用意し、定期的にこれを更新して学習の安定性を保ちます。
ターゲットネットワークの更新は、学習中のネットワーク(ポリシーネットワークやQネットワーク)をそのままコピーするのではなく、徐々に更新します。ここで、tau
はその更新の割合を決める重要なパラメータです。
tau
の数値が示すことtau
は通常、0から1の間の値で指定されます。具体的には、次のような更新式でターゲットネットワークを更新します。
ターゲットネットワーク = (1 - tau) * 旧ターゲットネットワーク + tau * 現在のポリシーネットワーク
tau
が0に近い場合、ターゲットネットワークの更新が非常に緩やかになり、古いターゲットネットワークの値が強く残ります。tau
が1に近い場合、ターゲットネットワークはほぼ現在のポリシーネットワークに一致し、急激に更新されます。ターゲットネットワークは、強化学習のアルゴリズムで学習を安定化させるために使用されます。ターゲットネットワークを使用せずにポリシーネットワークやQネットワークを頻繁に更新すると、ネットワークが自分自身の予測に対して過剰に反応し、不安定な学習を引き起こす可能性があります。
tau
を小さく設定することで、学習中のネットワークの影響を徐々にターゲットネットワークに反映させることができ、より安定した学習が可能になります。
tau
は、ターゲットネットワークの更新速度を決めるパラメータで、0から1の間で設定される。tau
が小さいと、ターゲットネットワークの更新が緩やかになり、学習が安定する。tau
が大きいと、ターゲットネットワークは急激に更新され、最新のポリシーネットワークに近づく。